歴史の1ページ目

今から約100年ほど前、十九世紀末のアメリカ・ルイジアナ州のニューオリンズは、

それこそ異種異風な雰囲気が漂う不思議な町だったそうです。

港町として栄え大発展したこの都市は、フランスの古い町を思わせる町並み、

多人種の住民達(フランス、スペイン、ドイツなどのヨーロッパ系移民、西インド諸島からの黒人や混血の人々)と

まさに人種と文化の中心地だったといえます。

そしてその中で最も勢力を誇っていたのが「クリオール」と呼ばれる白人と黒人の混血人種達でした。

彼らはフランスのリベラルな政策のなごりから、白人と同様の特権的な地位を保証され、

教育やクラッシックなどの音楽のたしなみも受けていました。

しかし、南北戦争の勃発、南軍の敗戦による「奴隷解放」が逆に彼らの『特権』を剥奪したのでした。

『黒人』と同等の扱い、地位とされてしまったのです。

そして、その事がまさに後への『Jazz』へとつながるのでし



 同じ人種となった「クリオール」と「黒人解放奴隷」。

お互いの持っていた文化の融合がまさに新しい形の「音楽」へと影響したのです。

クラッシックやマーチを専門としていたクリオール。

アフリカ系宗教音楽やキリスト教のニグロ・スピリチュアルズ(黒人霊歌)を得意としていた黒人解放奴隷。

そして南北戦争終結により街に放出された管楽器や打楽器の数々。

この3つが重なり登場したのがパレードなどを中心とした「ブラス・バンド」や

新しいスタイルの音楽「ラグタイム」「ディキシーランド」でした。

その後、国内の各都市を舞台に、様々なスタイルを確立してゆくのでした。



ジャズの歴史・発展の経路


1900〜1910年代 ルイジアナ州 ニューオリンズ 歴史の始まり


「ブラス・バンド」

多人数による行進の為の演奏など、パレードやイベントなどの時に編成されたもので、

主にヨーロッパのポピュラー音楽や民謡などを、黒人独特のリズムで演奏していました。


「ラグタイム」

主に1890年代から1910年代まで流行した独特な音楽。

コミカルなリズム、明るいメローディーが特徴の演奏スタイル。

有名な曲は映画の「スティング」(1973年)の「エンターティナー」です。

(作曲者:スコット・ジョブリン・・・「ラグタイムの父」と呼ばれている)


「ディキシーランド・ジャズ」

ディキシーランドとは、本来、米国南部諸州の俗称の事を言います。

当時、酒場やダンスホールでの室内音楽用に「ラグタイム」の流行の曲を

ピアノとブラス・バンドによる編成や編曲がなされたのが始まりでした。

またこの頃「コンボ」という現在のグループ編成の原型も出来ました。

しかし、やがてトランペットやドラム、バンジョーなどが入り「ラグタイム」とは一線を引いた

「ディキシー・ランド・ジャズ」が生まれるのでした。

特徴は、軽快なノリと反復性多い親しみやすいリズム。

また、ディキシーランド・ジャズは服装にも特徴がありました。

(カンカン帽子に真っ赤なジャケットと、遊園地などのパレードによく見られるもの)



1920年代 イリノイ州 シカゴ 〜 ミズーリー州 カンザス・シティー 〜 ニューヨーク  新しいスタイルへの変貌

「シカゴ・ジャズ」

1917年11月ジャズの舞台は突如シカゴに移ったのでした。

なぜ?それは、第1次世界大戦参戦によるニューオリンズ港の軍港化が原因でした。

この時、海軍当局は「紅燈地区閉鎖命令」という

法的処置をした為ジャズメン達は職を失う羽目となったのでした。

(「紅燈地区」とは、ニューオリンズきっての夜の名所・歓楽街・・・現在のフレンチクォーター)

その後、悪名高い「禁酒法」(1920年1月施行・・・32年迄)時代、

シカゴはジャズに大きな影響を与えるのでした。

ニューオリンズの時代のようなものとは違った

「ジャズのオリジナルナンバー」が台頭しはじめたのです。

この時代の演奏場所は「スピーク・イージー」と呼ばれるもぐり酒場が主で、

バンド編成にも変化が見られ最小限の編成が主流となりました。

また、現在では当たり前の「ソロ演奏」なども生まれたのでした。

(この時代のこうした現実から生まれた演奏スタイルが

今日のジャズ・スタイルそのものの根幹になったと言えます)



「カンザスシティー・ジャズ」

ジャズといえば、ニューオリンズやシカゴ、ニューヨークが当然のように思い浮かびますが、

この時代のカンザスシティーはまさに、ジャズの発展には欠かせない経験を積んだ時期といえます。

禁酒法真っ只中のこの時、カンザスシティーでは、酒、賭博共に合法とされていたのでした。

勿論、繁華街は大繁盛し、ジャズメン達も大活躍。

この時期に生まれたのがブラス・バンド的編成を発展させた「ビック・バンド」でした。

大きなステージに大人数で繰り広げられる演奏は、

まさに、これからのジャズの多様性に大きなきっかけを作ったといえます。



「ハーレム・ジャズ」

今こそ「ジャズ=ニューヨーク」という感じですが、

その産声は、1920年代前半に黒人街「ハーレム」で始まったとされています。

しかし、商業的にはデューク・エリントン(P)が結成した

ビックバンドが独創的な演奏で人気を博した事ぐらいでした。

この時代は特にムード音楽の全盛期でいわゆる

「スウィート・ミュージック」と呼ばれるサウンドがほとんどでした。

ジャズもビック・バンドにヴォーカルを入れ、

甘い感じで演奏されていたそうです。

実際にはニューヨークのジャズ・シーンを

代表するミュージシャン、バンドが活躍するのは

1930年代に入ってからでした。



1930年代  ニューヨーク スイングの到来

「スウィング・ジャズ」

1930年代はアメリカにとって「世界大恐慌」を乗り越える復興期に入っていました。

流行もニューヨークを中心に生まれ、勿論ジャズもそうでした。

優れたミュージシャンが集まり、白人と黒人の感性をブレンドした

まさに時代に即した新しいサウンドが生まれたのでした。

「スウィング・ジャズ」は優雅でスウィートな趣を持った

オーケストラ風に演奏されるダンスミュージック的な要素を持ったスタイルで、

そして、この時代に世界的に広がったレコードやラジオにより、

よりいっそう「ジャズ」というジャンルの確立につながったのでした。

しかし、その後スウィング・ジャズを一躍有名にした

「ビック・バンド」の黄金時代を終わらせる事件が次々と起こります。

太平洋戦争による、ミュージシャンの徴用、ダンスホールの閉鎖、

交通機関の規制による多人数のバンドによる移動の困難等々。

さらにはレコード会社と音楽家組合との衝突による「吹き込みスト」。

しかし、時代の変化によってまたジャズのスタイルが変化をとげ、

新しく切り開かれる結果ともなりました。



1940年代  モダンの誕生 〜 ジャズの最初の革命

「モダン・ジャズ」

現在、一般誌レベルでの「ジャズ」という言葉を指す時、

まさしくディキシーでも、スウィングでもなく、この時代のジャズを言います。

基本はフォー・ビートですが、モダン・ジャズの誕生の代表的なスタイル「ビ・バップ」では、

複雑なリズム、コード進行、高度なアドリブなど、

今までのブラス・バンド時代からの流れとはまったく違ったスタイルを作ったのです。



またこの時期に生まれた、ジャム・セッションによる「新鮮さ」や

アドリブから生まれる「マニア感」が現在も最もジャズを魅了させる理由ではないかと思います。

それまでのジャズは、パレードや酒場でのBGM的存在だったのが、

「聴く」という純粋な音楽として確立された事は

まさしくジャズにとっての最初の革命といえるでしょう。



1950年代  革命に次ぐ革命 クールの誕生 〜 ウエスト・コースト 〜 ハード・バップ

「クール・ジャズ」

40年代に生まれた「ビ・バップ」はひたすら速く熱く盛り上がり、

アグレッシブな演奏が特徴でしたが、50年代に入ると対照的に、緻密な編曲、

崩さない旋律といった知的でクールなジャズが生まれます。

ジャズには時代背景も大きく関係ありますが

(発祥からいえるが、新しいスタイルの誕生には常に歴史上の変化が大いに関係ある)、

この時代には、戦後の激しく混乱し、世の中が騒がしかった時に聴いた「ビ・バップ」より、

もっとスムースで寛ぎ易い聴きやすいものが欲されていた様です。

そして、この頃までは東海岸中心だったジャズの世界も

ロサンジェルスを中心とした西海岸にも新しいスタイルが生まれるのでした。



「ウエスト・コースト」

朝鮮戦争による特需によって経済的に潤っていた西海岸に住む、

譜面に強い白人ミュージシャン達が集まり、緻密な編曲を施した洗練されたサウンドを生み出しました。

また、クール・ジャズで試しみされた新しい演奏スタイルの継承に、西海岸ならではの明るさ、

爽やかさを加えた心地よいジャズをプレイしていたそうです。


30年代から40年代のそれまでのモダン・ジャズの雰囲気が

地下の薄暗い酒場などの場所での演奏がイメージだとすると、

このウエスト・コースは対照的に青空の下で聴ける、

そんなすがすがしさを前面に出したスタイルといえます。

そしてこの後に出てくる「ハード・バップ」もそうですが、

「スウィング」、「ビ・バップ」、「クール」と数々の時代を経て、

この時代に生まれたスタイルと活躍したミュージシャン達が

「現在、最もよく聴くジャズ」を本当に確立した人物達といえ、名前も頻繁に登場します。



「ハード・バップ」

ビ・バップの発展形。「クール・ジャズ」に対抗するべく起こった

東海岸の黒人ミュージシャン達によるビ・バップの回帰版的スタイル。

ハーモニーの充実や黒人の持つバイタリティーを加えたスタイルで、

まさしく「情熱的なジャズ」そのものといえます。

この時代がジャズにとって最も著しく、音楽的にも確立されたことは先にも述べましたが、

ハード・バップはまさしく世界中の人々から支持を得たといっても

過言ではないくらいに「モダン・ジャズ黄金期」を生み出しました。

入門者にもこの時代のジャズを中心に色々なスタイルのジャズを

聴いていく事によって、幅広く理解できる事でしょう。



「ファンキー・ジャズ」

ファンキーの語源は黒人の体臭を指すスラング。

ファンキー・ジャズは、50年代中頃のハード・バッパー達の演奏にあらわれていた

アーシー、ブルージー、ソウルフルなフィーリングが、

50年代後期にスタイルとして流行したもの。


「イースト・コースト」

50年代中期、ウエスト・コースト派に対してニューヨークを中心に

アメリカ東部(東海岸)で演奏活動していたハード・バッパーの事。



1960年代  束縛から逃れたジャズの新手法「モード」と「フリー」


「モード」


1959年に、ジャズ界の巨人(ジャズ・ジャイアンツ)の1人、

マイルス・デイヴィス(tp)が発表した「カインド・オブ・ブルー」

という曲で出した新手法の事です。

それまでのジャズは、編曲や編成で変化を遂げていましたが、

基本的なコード進行はブルースの時代と同様のままでした。

そしてジャズ独特のブルージー感もそこからきていました。

そこで、コード進行の束縛を抜けるために、わずか1,2個のコードをベースに、

スケール(音階)の上を自由に行き来する手法を編み出したのでした。


これは、現代音楽的なハーモニーを生み出す事に成功したといえます。

余談ですが、マイルスは、ビ・バップ時代から活躍し、

クール、ハード・バップの草創期にも、また、モード後には、

エレクトリックとジャズの融合等々、多くのジャズのスタイル確立に携わっており、

その名は誰もが知るジャズ・ミュージシャンの代表的存在です。

(世代は違いますが、シカゴ時代のルイ・アームストロング(tp)も

古きよき時代のジャズ・ジャイアンツであったと言えます)



「フリー」

「何をやってもいい。出したい音、聴きたい音、

デタラメでも何でも感じる音をそのまま出せば良い」

そんなイメージを感じさせるスタイルが「フリー」です。


その音楽性は、リズム、ハーモニー、バンド編成、演奏法

どれをとっても過激に、自由に行っているといえます。

それではジャズどころか音楽ではないのでは?という疑問も出来ますが、

感性というものにひかれ決まった形のない音に魅力を感じる。

そんな気持ちの表現方法がこの手法を生み出したのでしょう。



「ボサノヴァ」

中南米諸国の音楽を総称してラテン・ミュージックと呼ぶ。

サンバ、ルンバ、マンボ、タンゴ、フォルクローレ、サルサなどがある。

ボサ・ノヴァは50年代末に、サンバがジャズの影響を受けて

都会的に変化した音楽である。



「ジャズ・ロック」

ジャズ風のロックの事。ロックとはロックン・ロールを縮めたもの。

『ロックン・ロール』とは1950年代の中頃、黒人のリズム&ブルースと

白人の地方音楽カントリー&ウエスタンが混血して形成された、

アフター・ビートを強調したダンス・ミュージックである。



1970年代  進化した楽器による新しい感覚への変貌


「エレクトリック」

またしても時代背景の影響とも言うべきか、この時代は科学の進歩による

電気製品によって便利さを謳歌する時代になりました。

カラー・テレビ、ビデオ、コンピューター等々・・・。

勿論その波は音楽分野にも影響します。

ピアノの表現力を「キーボード」で、ギターやベースにもエレキタイプのものが。

(最近ではサックスやヴァイオリンまでエレキのものが出来てます)

そして、ジャズでは、誰よりも速く、

先の「モード」の部分でも出ましたが、

またもやマイルス。デイヴィスが生み出したのが

エレクトリック楽器・機材との合体による新しいサウンドでした。

今までのアコースティックなサウンドに

電子的な未来感のあるサウンドと一気に幅を広げたのです。



「クロスオーヴァー」「フュージョン」

クロスオーヴァーとは「上を横切ると」いう意味(ほとんど造語)。

フュージョンとは「融合」、「溶解」という意味

(ちなみに「fusion bomb」は水素爆弾の事)。

両者ともジャズのスタイルというよりは、その後のジャズの行く末とも言うべく、

ポップス系やロック系音楽とのミックスのように聞こえます。

代表的なのは、サックスやキーボードといった金管楽器、電子楽器が主流で、

音質も昔ながらのジャズ独特の質量やブルージーさよりは、

どちらかというとライトなノリと軽快なリズムが特徴的です。

日本でも「ジャズ」の入り口として若い世代には聴き易い印象を受けていています。



1980年〜1990年代以降 他ジャンルとの融合から生まれたニュー・サウンド


ジャズは、時代と共に変化、進化を遂げてきたのですが、

実はこの20年近くは、さらに新しいスタイルの確立は生まれていないのです。

音楽そのものには色々なジャンルが生まれ、時代の変化と共に楽しまれて入るのですが・・・。

しかし、その中でも少しずつではありますが時代とマッチするジャズを見つけ出す事も出来ます。

これらは、すべて現在までのジャズのスタイルにポップスやダンス、クラブ系ミュージック、

パンクやロックといった他ジャンルとの融合やアレンジにより生まれたものといえます。



「新伝承派」「ニュー・ジャズ」「ヒップ・ホップ」「アシッド」

いずれも他ジャンルとの融合によって生まれたアレンジ的要素を持ったスタイル。

その中で「新伝承派」はジャズの正統派(アコースティック)を

継承しているという意味から。


「アシッド」(クラブ・ジャズ)はクラブ等で踊る際に

DJがかけたハード・バップやアフロ・キューバンがベースとなり

今のジャズの聴き方といえます。

そのほかにもポップスの曲をジャズ風にアレンジしたものや

ロックから影響を受けたものなど現代風ジャズは様々な発展を遂げています。



年代別 代表的ジャズミュージシャン 人名辞典


1900年〜1910年代:ラグタイム、ニューオリンズ、デキシーランド

バディー・ホールデン(tp)、スコット・ジョブリン(p)、ジェリー・ロール・モートン(p)


1920年代:シカゴ・ジャズ、ハーレム・ジャズなど

ルイ・アームストロング(tp/vo)、ビックス・バイダー・ベック(tp)、
デューク・エリントン(p)、フォッツ。ウォーラー(p)、ベッジー・スミス(vo)


1930年代:スウィングなど

ベニー-グッドマン(cl)、シドニー・べシェ(ss)、グレン・ミラー(tb)、
カウント・ベイシー(p)ジャンコ・ラインハルト(g)、フランク・シナトラ(vo)、
ライオネル・ハンプトン(vib)
ビンク・クロスビー(vo)


1940年代:ビ・バップなど

チャーリー・パーカー(as)、コールマン・ホーキンス(ts)、レスター・ヤング(ts)
ディジー・ガレスビー(tp)、マイルス・デイヴィス(tp)、セロニアス・モンク(p)
チャーリー・クリスチャン(g)、ナット・キング・コール(vo/p)、ビリー・ホリディー(vo)


クール

リー・コニッツ(as)、マイルス・デイヴィス(tp)、
ジョージ・シアリング(p)
レニー・トリスターノ(p)


1950年代:ウエスト・コースト

アート・ペッパー(as)、スタン・ゲッツ(ts)、ジェリー・マリガン(brs)
ポール・デズモンド(as)、チェット・ベイカー(tp/vo)、デイヴ・ブルーベック(p)

ハード・バップ、ファンキーなど

キャノンボール・アダレイ(as)、ソニー・ロリンズ(ts)、ベニー・ゴルソン(ts)
ジャッキー・マクリーン(as)、ハンク・モブレー(ts)、ルー・ドナルドソン(as)
クリフォード・ブラウン(tp)、ナット・アダレイ(tp)、カーティス・フラー(tb)
マイルス・デイヴィス(tp)、アート・ファーマー(tp)、ドナルド・バード(tp)
バド・パウエル(p)、ホレス・シルヴァー(p)、レイ・ブライアント(p)
トミー・フラガナン(p)、ソニー・クラーク(p)、バニー・ゲッセル(g)
アート・ブレイキー(ds)、エラ・フィッツジェラルド(vo)、
サラ・ボーン(vo)
ヘレン・メリル(vo)


1960年代:モード、ヴォサノヴァ、ジャズ・ロックなど

ジョン・コルトレーン(ts/ss)、デクスター・ゴードン(ts)、ウェイン・ショーター(ts)、
マイルス・デイヴィス(tp)、リー・モーガン(tp)、クインシー・ジョーンズ(tp/アレンジャー)、
オスカー・ピ−ターソン(p)、ビル・エバンス(p)、ハービー・ハンコック(p)
ウェス・モンゴメリー(g)、ケニー・バレル(g)、ジョー・パス(g)、ジム・ホール(g)

フリー

オーネット・コールマン(as)、エリック・ドルフィー(b-cl)、
アルバート・アイラー(sax)
セシル・テイラー(p)


1970年代:エレクトリック、フュージョンなど

マイケル・ブレッカー(ts)、デヴィッド・サンボーン(as)、マイルス・デーヴィス(tp)、
ランディー・ブレッカー(tp)、チック・コーリア(p)、キース・ジャレット(p)
ジョージ・ベンソン(g)、パット・メセニー(g)、ジャコ・パストリアス(b)


1980年代 〜 1990年代

新伝承派、ニュー・ジャズ、ヒップ・ホップ、アシッドなど(1980年代)

ブランフォード・マルサリス(ts)、ウイントン・マルサリス(tp)、マイルス・デーヴィス(tp)
ハービー・ハンコック(p)、スティーブ・ガッド(ds)、マーカス・ミラー(b)

新伝承派、ニュー・ジャズ、ヒップ・ホップ、アシッドなど(1990年代)


ジョシュア・レッドマン(ts)、キャンディー・ダルファー(as)、ドン・バイロン(cl)
アルトゥール・サンドヴァル(tp)、ゴンサロ・ルバルカバ(p)、ビル・フリゼール(g)
US3、U・F・O、ジェイムス・テイラー(org)


ジャズ・バンドの編成

ソロ
ラグタイム時代から続くピアノ単体による演奏形態が主流。
またギターやサックスなどによるメロディーラインの演奏が可能な楽器による場合もある。


ディオ
ディエット(2人)の略称。メロディーラインとベースラインによる演奏が主流。
ピアノ、ベースやギター、ベース、またヴォーカルとピアノなど。


トリオ
3人で編成される現在のジャズの最も定番的編成による演奏形態。
主にピアノ、ベース、ドラムスやヴォーカル、ピアノ、ベース また、ギター、ベース、ドラムスなど。


カルテット
4人編成による演奏形態。ピアノ、ベース、ドラムスといった
楽器トリオによる基本的な演奏スタイルに
ヴォーカル、ギターといったメロディーラインを
多編成により効果的にする編成などが主流。
またドラムスにパーカッションを加えるなど演奏の主とするものは
何かといった事により編成も多種多様に変化する。
また、それ以上になると、『クインテット(5人編成)』、
『セクステット(6人編成)』、『セプテット(7人編成)』、
『オクテット(8人編成)』等、それぞれの楽器の人数が増えたり、
楽器の種類が多様になる編成により、より多くの表現方法が生まれるのである。


コンボ
ディキシーランド・ジャズ等の初期のジャズに最も多い5人〜8人編成の
演奏形態『Small combination』の略称。
トランペット、トロンボーン、クラリネット、バンジョー(ギター)、
ピアノ、ベース、ドラムス等による。
現在のスタイルにも受け継がれている。


ビック・バンド
10人位の大きな編成で組む演奏形態。
ブラス・セクション(トランペット、トロンボーン、フレンチホルンなど)、
サックス・セクション(サックス、クラリネット、フルートなど)
リズム・セクション(ピアノ、ギター、ベース、チューバ、ドラムスなど)
などに分かれている。
スウィング・ジャズなどダンス・ミュージック的要素のある
ジャズが主流の時代の主流編成。


オーケストラ
各セクション事が多人数で編成されているクラッシックなどに見る通常の大きな楽団的演奏形態。
ビック・バンド同様スウィング・ジャズ時代に多く見られた。



ジャズに使われる楽器の名称・略称

@ピアノ(p/pf):オルガン(org)、キーボード(kb/key)
Aベース(b):ウッド(w-b)、エレキ(e-b)
Bドラムス(ds):パーカッション(perc)
Cサックス:ソプラノ(ss)、アルト(as)、テナー(ts)、バリトン(bs)
Dトランペット(tp):コルネット(cor)、フリューゲン・ホーン(frh)
Eクラリネット(cl):バス(b-cl)
Fフルート(fl):バス(b-fl)
Gトロンボーン(tb):バス(b-tb)、ヴァルヴ(v-tb)
Hフレンチ・ホルン(frh)
Iヴィブラフォン(vib)
Jギター(g):バンジョー(bj)
Kヴァイオリン(vln)


よく出る「ジャズ」用語集

スウィング
サッチモ(ルイ・アームストロングの愛称)、
ジャズの特徴として知られるようになった独特のリズムのノリ。
アフター・ビート、シンコペーション、跳ねるような8分音符のノリ。



アドリブ
語源はラテン語のad libitum(自由に)。広義には譜面と異なる演奏全てを指す。
メロディーなどを原曲がわかる程度に変えて演奏することをフェイク(崩す)という。
狭義には、即興によるソロ部分を指す。但し、ソロにはいわゆる「書き譜」もある。


スタンダード
一時の流行にとどまらず、時代を越えた名曲として、演奏されたり、口ずさんだりされる曲。

バラード/バラッド
ゆったりとしたテンポによる叙情的なスタイルの演奏。
一般的にいってバラードは感情をこめて演奏されることが多く、
演奏者の唄心を知るのに最もふさわしい形態。


フィーチャー
ある特定のプレイヤー、あるいは楽器にスポットを当てた演奏形態の事。
4本のテナー・サックスをフィーチャーした
ウディー・ハーマンの「フォー・ブラザース」が有名。
アルバムで、リーダー以外のプレイヤーが参加する場合、
「フィーチャリング・〜」と表示される事もある。


セッション
ジャム・セッションとは、気の合ったミュージシャン同志がアレンジ等はせず、
簡単な打ち合わせと合図によって即興的に行う演奏の事。


フレーズ
即興演奏を構成する音のつらなりの断片。
ジャズ・ミュージシャンは長いキャリアの間に、自分の独創的なフレーズ群を持つに至る。
それら蓄えられたフレーズをストック・フレーズと呼ぶ。
また、よく知られた曲の一節などを引用フレーズとして使うこともある。


コード
和音(の種類)を表現する記号。コード・ネームとも言う。
表記法はC、C7、C9(♯11、13)、Csus4(♯9)、Cmaj7(9、♯11、13)、C7/D、等々。
このように、後ろや上下にズラズラ並ぶのが最近のジャズ・コードの特徴。
しかも、指定されたコードをそのまま弾かない。


2ビート/4ビート
どちらも、4拍子を基本としており、2ビートは1小節の1・3拍目、
4ビートは、1・2・3・及び4拍目にベースのアクセントがある。
ドラムのビートはどちらも2・及び4拍目におかれる・。


8ビート
1小節を8分割し、これをビートの基本単位とするリズムの事。
4/4拍子での8分音符がこれに相当し、通常リズムの中心となるベースや
ドラムスが8分音符を連打する形のビート。ロックの基本的ビートでもある。


16ビート
8ビートと同様に、1小節を16分割し、これをビートの基本単位とするリズム。

ジャズを使用・テーマにした「映画」



ラグタイム〜ディキシー・ジャズ

「スティング」(1973年)
ラグタイム「エンターティナー」がテーマ曲として使われている。

「アメリカ交響楽」(1945年/米)
ジョージ・ガーシュイン(作曲家)の物語。


シカゴ・ジャズ〜スウィング・ジャズ

「ヒット・パレード」(1948年/米)
ベニー・グッドマン(cl)、ルイ・アームストロング(tp)等々大物ミュージシャンの出演映画。

「グレン・ミラー物語」(1953年/米):グレン・ミラー(tb)の伝記映画。

「ベニーグッドマン物語」(1955年/米)ベニー・グッドマン(cl)の伝記映画。

5つの銅貨」(1956年/米):レッド・ニコルズ(cor)の伝記映画。

「海の上のピアニスト」(1999年/伊・米):
ジェリ・ーモートン(p)役が出る当時の世情を知るのに良い感じの映画。

「ジャズ・ミー・ブルース」(1991年/伊):ビックス・バイダーベック(tp)の伝記的映画。

「情熱の狂想曲」(1950年/米) :ビックス・バイダーベック(tp)のフィクション的物語。

「愛情物語」(1955年/米):エディー・デューチン(p)の物語。

「昼も夜も」(1946年/米):コール・ポーター(作曲家)の物語。

「ビリー・ホリディー物語」(1972年/米):ビリー・ホリディー(vo)の物語。


カンザスシティー・ジャズ

「カンザス・シティー」(1996年/米):資料の少なかった当時のジャズを描いた作品。


モダン・ジャズ

「バード」(1988年/米):チャーリー・パーカー(as)の半生を描いた映画。

「真夏の夜のジャズ」(監督:バード・スターン)
セロニアス・モンク(p)の出演した1958年のニューポート・ジャズ・フェスティバルの
ドキュメンタリー記録映画。

「レッツ・ゲット・ロスト」(1988年/米)
ジャズ界の“ジェームス・ディーン”、チェット・ベイカー(tp)のドキュメンタリー映画。

その他

「モ‘・ベター・ブルース」(1990年/米):
新伝承派のジャズミュージシャンを描いたスパイク・リーの映画。

「ニューヨーク・ニューヨーク」(1977年/米)
サックス奏者を題材にしたロバート・デニーロの出演映画。

「コットン・クラブ」(1984年/米)
スウィング・ジャズ時代のクラブを題材にしたフランシス・F・コッポラ映画。




黒人が生んだその他の音楽ジャンル


ブラック・ミュージック/ファンク

黒人音楽。そのルーツは深くアフリカ音楽えと連なる。
アメリカでこのアフリカ音楽が発達したのは
西アフリカからアメリカへ大量の黒人が奴隷として移住した事による。
この結果いわゆるアフロ・アメリカン音楽文化が開花したのである。


ブルース
19世紀中頃、アメリカ南部の黒人達によって歌われ始めた音楽。
後のジャズ、ポップス、ロックの音楽的基盤を築いた。
歌詞は苦悩や絶望を歌ったもので、メロディーは即興的だったが、
やがて3行形式、12小節といったスタイルが一般的になった。


ゴスペル
福音歌。1920年代中期にシカゴ・バプティスト教会から起こった黒人独自の賛美歌の事。

ブギ・ウギ
1920年代後半に、黒人ピアニスト達によって作られたもので、
ピアノによるブルース演奏形式のひとつである。


リズム・アンド・ブルース/R&B
30年代にブルースやゴスペルなどの要素が合体して出来た黒人音楽。
その後白人達からも人気を集め、ジャズだけでなく、ロックン・ロールやソウル、
ディスコといったポピュラー音楽にまで大きな影響を与えている。


ブラック・コンテンポラリー
黒人による現代的な音楽の意。伝統的なブルースやR&B、ジャズだけでなく、
フュージョンやAOR(アダルト・オリエント・ロック)などの要素も
うまく取り入れた新しい感覚の黒人音楽。通称ブラコン。





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